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《レビュー》歴代の猫娘をまとめた本 ねこ娘大全【鬼太郎6期】

ゲゲゲの鬼太郎(第6作)第10話『消滅!学校の七不思議』より

今回は2020年3月に文藝春秋様より出版されたムック本、『ゲゲゲの鬼太郎 CHARACTER BOOK ねこ娘大全』をご紹介します。
本誌は1968年に登場した第1期から6期までを網羅的にまとめた書籍になりますが、主に6期のねこ娘に焦点を当てた内容となってます。

放送開始50周年を記念して制作された6期はスマホやSNSといった現代の技術が反映され、物語も風刺的な意味合いが込められたメッセージ性の強い話も少なくありません。
特筆すべきは妖怪側のメインヒロインであるねこ娘のインパクトで、その容姿はモデルのような美脚とクールで凛とした美少女として描かれています。
人間側のメインヒロインである”犬山まや”からはねこ姉さんと呼ばれるほどの彼女ですが、好きな人の前では素直になれないツンデレ属性と、一定条件下においてロリコン属性までも内包したすさまじいキャラクターとなってます。

※本誌の内容はムック版、電子書籍版ともに差異はありません。

ムック(mook)とは、
《magazineとbookの中間の意を表す造語》内容は単行本でありながら、発行方式や編集形態が雑誌のような出版物。雑誌風書籍。

goo辞書より引用

ゲゲゲの鬼太郎 CHARACTER BOOK ねこ娘大全

表紙

 製品情報 

  • 価格    900円+税(電子書籍版800円+税)
  • 発売日   2020年3月(電子書籍版2018年10月)
  • ページ数  80
  • 書籍サイズ 30cm × 21.2cm
  • 出版社   文藝春秋

©水木プロ・フジテレビ・東映アニメーション

話題沸騰! 電子書籍で発売された『ねこ娘大全』『ねずみ男大全』が、好評につき2冊同時にムック化決定!
美しい描き下ろしイラスト、読み応えのあるインタビュー、ここだけでしか見られない秘蔵資料の数々を、紙のページでも楽しもう。

約50年の歴史を持つアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』。
現在放送中の第6期では、ねこ娘がモデル体型の美少女となり、“ツンデレ”なキャラクターと合わせて多くの視聴者の支持を集めました。
本書籍では、その第6期ねこ娘を中心に、設定画&名場面集、声優・スタッフインタビューなどで歴代のねこ娘の魅力を徹底解説。
さらに描き下ろしのねこ娘イラストを5種収録しました。
『ゲゲゲの鬼太郎』ファン、ねこ娘ファン必読の内容となっています。

Amazonより引用

また、上記で触れているねずみ男大全も高い評価を得ていました

 

コンテンツ一覧

描き下ろしイラスト5種のうちの2種

  • 豪華描き下ろしイラスト 5種
  • 6期『ゲゲゲの鬼太郎』について
  • 設定画 & 表情集
  • 第1話~26話 ハイライト集
  • インタビュー
    (6期ねこ娘役/庄司宇芽香、監督/小川孝治、プロデューサー/永富大地、キャラクターデザイン・総作画監督/清水空翔)
  • 第6期 グッズ紹介
  • 猫娘の歴史(1期~5期)
  • インタビューおよび質問コーナー
    (3期ネコ娘役/三田ゆう子、4期ねこ娘役/西村ちなみ、5期ネコ娘役/今野宏美)
  • 第5期お宝グッズ紹介
  • 『ゲゲゲの鬼太郎』が50年愛される理由
    (第3期編集・第4期プロデューサー/清水慎治)

 

上記の描き下ろしイラスト2種は試し読みで閲覧可能なため当ページでも公開してますが、未公開のイラストにはヒロインの一人である犬山まなとの可愛らしいツーショットなどが収録されてます。

6期のグッズコーナーではHG GIRLSのねこ娘の他、コミケ94で販売されたアイテムも含まれるなど幅広い範囲で紹介されてます。

5期のグッズコーナーではアルファオメガ様より2009年に税込み6,380円で発売されたフィギュアなどが紹介されていました。

このように長い歴史を包括的に覗くと、
“ねこむすめ”の表記は放送時期によって漢字、カタカナ、ひらがなに微妙な違いがあるなど気づきがあって面白いですね

 

ハイライト集

ハイライト集より『第18話 かわうそのウソ』(28P~29P)

この項目ではアニメ本編のキャプチャーと共に見どころが語られています。
話数ごとに区切られ、放送日など簡単な概要もまとめられているためアニメを見返す際には便利です。

映像では目まぐるしく流れてしまう綺麗な作画を、こうして一望できるのは至福の時間ですね。
本編は機器によって視聴する映像なので、ハイライト集は特に紙媒体であるムック版の方がその真価を発揮するのではないでしょうか。

ひとつ残念なのは全97話ある6期の鬼太郎において、本誌は26話までしか収められていない点です。

それ以降で彼女が活躍する話には生死にかかわる重要なものから、
『妖怪いやみの色ボケ大作戦』『外国人労働者チンさん』『まぼろしの汽車』
など簡単に思いつくだけでもいくつか挙げられるので悔やまれますね。

ただ、
全話視聴しましたが彼女のツンデレ的な萌え要素は物語の前半に集約されている印象を受けたのでファンブックとして手元に置いておくには十分な価値があります。
また、本誌よりも後である2019年9月に出版されたゲゲゲ ヒロインの森であれば63話まで取り扱っているので補填になるかと思います。

皆さんはどのお話が好きでしょうか。
100話近くあるとどれも甲乙つけがたいですよね。同感ですが、私は『厄運のすねこすり』が印象に残っていますね。こちらは6話の出来事ですのでもちろん本誌でも取り扱っていますよ

 

猫娘の歴史

こちらの項目では歴代ヒロインが完結にまとめられており過去作を手軽に振り返ることが出来ます。

そのほか、

インタビューにおいてもアニメ本編のキャプチャーや設定画を添えながら読み応えのある内容が記述され、1~5期を網羅的に紹介しているので資料としても良質な内容となってました。

中でも5期のコーナーはコスプレ集が組まれるなど他に比べ優遇されているように感じました。
5期のネコ娘もベクトルの異なる可愛さがあるので嬉しいユーザーは少なくないと思います。

 

年表一覧

  • 第1シリーズ(制作1968年、全65話)
  • 第2シリーズ(制作1971年、全45話)
  • 第3シリーズ(制作1985年、全108話)
  • 地獄編    (制作1988年、全7話)
  • 第4シリーズ(制作1996年、全114話)
  • 第5シリーズ(制作2007年、全100話)
  • 墓場鬼太郎 (制作2008年、全11話)
  • 第6シリーズ(制作2018年、全97話)

近年では予算など厳しい現場の都合から1クール12話構成が基準であったり、5分前後の短編アニメが作られるなどの状況が散見されることを考慮すると、
基本100話前後を量産している「ゲゲゲの鬼太郎」の体力の多さには驚かされますね

 

まとめ ゲゲゲの鬼太郎 CHARACTER BOOK ねこ娘大全

いかがでしたでしょうか?

前述したようにアニメ本編においては26話までしか収められていないのが残念ですが、ファンブックとしての価値は十分であるためファンであるならマストアイテムと言っていいでしょう。

彼女のグッズは他にもたくさんありますが、1000円以下で手に入る公式グッズとしてはこれほどコスパのいいものは他にないからです

 

欠点

ゲゲゲの鬼太郎(第6作)第10話『消滅!学校の七不思議』より

個人の感想に基づく話しになりますが、
表紙が表紙なだけに6期のねこ娘に期待あるいは求めるユーザーが多かったと予測します。

ですが思っていたよりは彼女の内容量が多くなく、

割合としては6期に関する内容が5割、残りの項目をすべて合わせて5割と確かに割合的に多くはあるのですがもっと6期の彼女を見たいというファンは少なくないのでは、と感じました。

それでも記載されている内容はどれも丁寧にまとめられていますので、ボリュームが不足気味とはいえファンであれば持っていて損はないと思います。

紙媒体か電子書籍かは好みになりますが、個人的には物質として手元に置いておきたくムック版を選びました。

 

王道のツンデレヒロインとして多くのユーザーを虜にしたであろう6期ねこ娘は、全97話放送終了以降は映像作品として登場しておりません。叶うならOVAなどで再びお目にかかりたいものです。

ちなみに書籍に関しても今回ご紹介した『ねこ娘大全』の他、『ねずみ男大全』と『ゲゲゲ ヒロインの森』の3冊しか現存しないのが実状です。

 

レビューは以上になります、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

もしも記述に誤りがありましたらコメントにてご指摘いただけると助かります。

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※当ページの記載内容は2021年時点の情報です

 

おまけ『厄運のすねこすり』について

ゲゲゲの鬼太郎(第6作)第6話『厄運のすねこすり』より

せっかくですので、印象に残ったエピソードとして挙げた”すねこすり”について語らせていただきます。

6話はねこ娘の活躍こそはありませんが、
「泣いた」「切ない」など噂される前半屈指の名作です。

以下はネタバレも含まれるため読了は自己責任でお願いいたします。

 

同上、ゲゲゲの鬼太郎『6話』より

アニメ6話では「みゃーみゃー」と鳴き、その容姿から猫と思われる方は多いと思いますが岡山県では「犬のような形をしている」と伝えられている妖怪です。

その名の由来は文字通り、足のすねをこするように通り抜けることから来ているようです。
我が家の猫もズボンを毛だらけにして通り抜けていきます、すねこすりだったんですね

6期の本編においては、そうして人に触れながら生気を吸い取り自身の生命力へと変える妖怪として描かれました。

 

同上、ゲゲゲの鬼太郎『6話』より

当ページの冒頭にて『風刺的な意味合いが込められたメッセージ性の強い作品』であるとお話ししましたが、
この6話も例外ではありません。

本作では寒村を舞台としており、
現実にある田舎の過疎化や少子化問題を意識している背景があると思います。

それにより、

昔は大衆から微々たる生気を吸って生きてきたこの妖怪もその対象を失い、密接に関わってしまった飼い主から生気を吸いすぎて憑り殺してしまうというお話でした。

しかし、どうやら当の本人は人間から命を奪い取っていた事実に気づいていなかったのです。

 

鬼太郎シリーズらしく一話完結の短辺ストーリーではあるのですが、妖怪という非現実的な存在と現代社会をうまく掛け合わせた秀逸な構成となってます。

 

同上、ゲゲゲの鬼太郎『6話』より

余談ですが、緑川ゆき様の「夏目友人帳」が好きな方は鬼太郎6期も楽しめるかもしれませんね。

 

すねこすりは死んだ?

同上、ゲゲゲの鬼太郎『6話』より

結論からいうと生きてます。

6話のラストは、深い傷を負ったすねこすりが一人寂しくトボトボと森の中へ姿を消す様子が描かれています。
アニメはその後に触れることもなくそのままエンディングへと進み終わってしまいます。

視聴者からは「すねこすりがかわいそう」「死んだの?」などの声が散見されました。

のちにすねこすりはゲゲゲの森で平穏に暮らしていることが判明しました。良かったですね。

実際に、

ゲゲゲの鬼太郎(第6作)第8話『驚異!鏡じじいの計略』より

8話のBパート冒頭に、ほんの数秒ですが鬼太郎の家の前を横切るすねこすりが登場しています。
元気そうですね。

かわいらしいキャラクターたちとは裏腹に、たまに無慈悲な展開を見せつけてくるので気が抜けませんが本当によく作り込まれた作品だと実感します。

なるべく所どころをぼかして紹介しました。
気になった方は是非、実際に視聴してみてはいかがでしょうか。
1話完結ですので6話のみを見ても理解できる内容となってます。

現在prime videoでレンタル可能であることを確認しておりますが配信サイトのラインナップは常に変動しますのでその点はご了承ください。

本とは関係のないお話でしたが、こんなところまでお付き合いいただきありがとうございました。

 

 

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