プラモデル

《レビュー》ブラック・マジシャン・ガール 初のプラモデル+欠点

本日は2022年7月にコトブキヤ様より発売された美少女プラモデル、「クロスフレーム・ガール ブラック・マジシャン・ガール」をご紹介します。

遊戯王界の絶対的なアイドルと言っても過言ではない彼女は、これまでに数々のグッズが商品化されてきましたがプラモデルキット化はおそらく史上初なのではないでしょうか。

BMGの可愛さがしっかりと堪能できるアイテムとなっておりますが、欠点や注意点も見受けられましたので最後までお読みいただければ幸いです

※元々は6月発売予定でしたが延期となり7月28日の入荷となりました。コロナ渦では見慣れた光景ですのでここは致し方ありません

2022 kotobukiya non scale construction kit,Unboxing and Review.

クロスフレーム・ガールとは、

コトブキヤ オリジナルコンテンツ「フレームアームズ・ガール」で培った技術と著名コンテンツとのコラボレーションシリーズになります。
色分けされた成型色、タンポ印刷済みのフェイスパーツにより、塗装せずに組んだだけでも完成します。
各部に設けた3mm径の穴とPVC製の手首により、膨大なM.S.Gウェポンユニットシリーズや、フレームアームズ・ガールシリーズ、フレームアームズシリーズの武器、外装を使用する事が可能。
発売済みのフレームアームズ・ガール各機体との頭部、腕部、脚部等の互換性も確保されており、お客様独自のカスタマイズが可能です。

公式サイトより引用

クロスフレーム・ガール ブラック・マジシャン・ガール

Dark Magician Girl

 製品情報 

作品   『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』
価格    7,480 円(税込)
発売日   2022年07月28日
スケール  ノンスケール
サイズ   全高約185mm
材質    PS・ABS・POM・PVC(非フタル酸)
メーカー  壽屋
原型/設計 清水康智、八音
対象年齢  15歳以上

©スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・KONAMI

2011年の初回発売から今なお再生産商品としても絶大な人気を誇る壽屋完成品PVCフィギュア
「ブラック・マジシャン・ガール」の原型を担当した原型師「白髭 創」がディレクションを担当!

設定画のプロポーションを忠実に再現した外観造形と、CAD設計を用いた可動設計を両立!
そして、表情パーツや手首パーツなど差し替え可能なオプションパーツにより、劇中の様々なポーズや演出をお楽しみいただけます。

公式サイトより引用

 

 

商品パッケージ外観

縦型のイラストで高さは30cmを超えるほどありプラモデルの箱としては大きな部類と言えます。

一般的な外箱はツルツルとした質感ですが、こちらは表面にサラサラとした加工が施されており高級感のある手触りに感じます。

 

仕様表記(拡大表示可)

パッケージ側面に記載されている内容は上記の通りです。

 

パーツリスト(拡大可)

パーツリストおよび各材質は上記でご確認できます。

余剰パーツは首元の肌色部品ひとつと、Fランナー2枚のうち一枚に余剰があります。

写真をブラウザで見にくい場合はいったん画像を保存していただき、お使いのソフトでご覧いただければと思います

 

部品注文カード

上記は同封されている発注書です。

ただ、ご覧の通り「コピー使用不可」とありますのであくまで資料として載せております。ご使用なさらないようお願いいたします

 

セット内容

付属品一覧

  • 本体×1
  • 差し替え用表情パーツ4種
  • 帽子:2種(左右流れのついたものがそれぞれ1種)
  • 前髪パーツ:2種(左右流れのついたものがそれぞれ1種)
  • 帽子接続穴用頭部アタッチメント×1
  • PVC製の手首:左右それぞれ5種
  • 予備用手首ジョイント×1
  • ロッド武器×1
  • 魔術の呪文書×1
  • 付属品ディスプレイ用スタンド:2種
  • 専用ベース:2種
  • マントキャストオフ用パーツ×1
  • 瞳、マーキングなどのデカール×1
  • ※限定特典「攻撃力・守備力表示」「黒・魔・導・爆・裂・破」プレートセット

 

「攻撃力・守備力表示」「黒・魔・導・爆・裂・破」プレート(拡大表示可)

こちらはコトブキヤショップ限定特典として同梱されたものになります。
小売店に流通している商品には付属しません。

オマケではあるのですが材質はアクリル板のようなしっかりとした造りです。数量限定なのが少し惜しく、多くの方に手に取ってもらいたいと思いました。特に「攻撃力・守備力表示」のフォントはアニメで使用されたものを再現しており、アニメファンとしては彼女の前に添えたい一品です。

本体下部には余白が設けられていますので何かに挟んだり、差し込んだりしてディスプレイします。本製品に付属するスタンドに挟むことも可能です

 

デカール(拡大表示可)

シールではなく水転写デカールになります。
本製品にはすでにプリントされているもので、使用せずとも完成しますのでご安心ください。

貼り方について簡単に説明します。ご存じの方は読み飛ばしてください。

  1. デカールを貼りたい部分の油分をあらかじめ中性洗剤などで洗います
  2. 使用するデカールをハサミやデザインナイフで台紙ごと切り取ります
  3. 切り取ったデカールを水またはぬるま湯に約10秒ほど浮かべ、ピンセットで引き上げます
  4. デカールを台紙から滑らせ、貼りたい位置に調整しながら乗せます
  5. 位置が決まったら上から綿棒をやさしく押し当て、残っている水分を押し出します。あとは触りすぎず自然乾燥させれば完成です

別売り用品としてデカール軟化剤やトップコートなどがありますので気になる方は調べてみてください。

もう少し詳しく知りたい場合は、下記にて「フェイスパーツの加工」について深掘りしていますので合わせてご覧ください(現在のページから移動しますのでご注意ください)

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各部紹介

フロント

素組み状態になりますが、色分けの優秀さは一目で見て取れます。

素材の大半がプラスチック(PS・ABS・POM)ですが、ハンドパーツのみ軟質素材(PVC:非フタル酸)となってます。ハンドパーツの交換のしやすさや破損に配慮されてます。

また、ほとんどのパーツには光沢がありますが肌の部分に限りつや消し仕様となっているためそのままでも自然な質感です。

手足の宝石はクリアパーツで再現されてます。事前サンプルでは不透明なメタリックカラーで塗装されていました。ここは好みが分かれるところですが私はクリア仕様を気に入っています。

「六芒星の呪縛」に似たデザインの台座にもクリアパーツが使われ、そのまま飾っても見栄えの良いものとなってます。

脚部は特徴的な構造により立位状態での関節の露出が抑えられています。収納された関節はひざから引き出せるようになっており、足を曲げる際には活用します。

この引き出し式関節は2021年12月に登場したアルカディアシリーズで初めて実装された機構なので最新技術を組み込んだ美少女プラモデルだと言えます。

興味がありましたら以下も合わせてご覧ください

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リア

専用スタンドは背面の腰にある3ミリ穴に取り付けます。コトブキヤ様の美プラではよく見られる仕様です。

製作過程の話しですが背中の一部衣装パーツは説明書にて接着剤の使用が推奨されていました。
使わない場合どうなるのか気になり接着剤を使用せずに組み立てましたがレビューを終えるまで一度も外れることはありませんでした。

逆に、

拡大可

帽子と頭部の接続ジョイントが頭部に残ってしまうことは多かったです。この水色の部品は本来、帽子側にあるべきものですので接着剤を使うならこちらを優先した方がいいでしょう。ただ、乾燥する前に頭部へ乗せてしまうと貼り付いてしまうリスクがあるためしっかりと乾燥させるようにご注意ください。

 

正面、背面ともに素組みでも細かな色分けがされていますが、

これは高い精度のパーツ分割によって実現しているものでその一例を下記にて記します。

パーツ分割による色分け

帽子をモデルにします。色分けは上記のように行われています。

このような手法はBANDAI様の製品で馴染みのある方が多いのではないでしょうか。高い成型技術が必要となりますので技術力の高さと向上が垣間見えます。

補足として帽子部分のはめ込みは少々コツがいります。真上からはうまくはまりませんので、ピンクパーツの溝に沿ってななめに差し込むイメージで組み立てるとスムーズに組み上がります。

 

逆にパーツ分割による色分けが出来なかった部位は、胸元の星マーク、首元の宝石、背中に本来入るはずのピンク色のライン、そして後ほど詳しく触れますがロッド武器の一部と魔術の呪文書が色の足りないパーツです。

ここからは塗装パーツについてです。

塗装パーツ

上記が塗装済みパーツになります。

フェイスプリントは一般的な美少女プラモよりも目が大きく、頬のチークも相まってBMG特有のものとなってます。

ピンクのラインに関しては死角となる裏面まで塗られています。これまでのBANDAI様の製品を例に挙げるとこのような部分はシール再現となることが多い傾向にあったので嬉しいポイントです。

ただ、全塗装派のユーザーは塗料を落とさなければいけません

 

帽子なし頭部への組み換え

帽子は脱着が可能です。

頭頂部と帽子内部にあるジョイントによって固定されています。保持力はちょうどよい具合で外しやすくもポロポロと落ちたりもしない固さです。

また、前髪と帽子は左右異なる向きにすることが出来る組み替えパーツが付属しています。

 

頭頂部のジョイント

帽子を外すと上記写真(左)のように穴が目立ちますが、付属の頭部アタッチメントを差し込むことでフラットな表面にすることが出来ます。

こうなると「差し込んだパーツを外せないのでは?」と心配になるかと思いますが頭部内部に取り外すための押し出し穴があるので適当な棒状の物を使えば容易に取り外せるようになってます。

 

マントのキャストオフ①

肩に羽織った特徴的なマントも取り外し可能となってます。

単なる美少女プラモデルにとどまらず、帽子とマントのキャストオフを可能としている点は素晴らしいサプライズです。

ちなみにスカートを脱がすことは出来ません。パーツを外すことは出来ますが、接続するためのジョイントが露出するため残念ながら非常に不自然な姿となってしまうのが現状です。

 

マントのキャストオフ②

ウインク顔を使用した別ポーズです。

フェイスパーツはアニメから飛び出してきたかのような出来の良さです。

マントの構造および外し方については以下に添付しますので必要に応じてご活用ください

 

マントの外し方

二つ目の魔法陣が描かれた円形のパーツはここで使用します。

余談ですが”魔方陣”と”魔法陣”は意味合いが異なります。
魔方陣は数学の話で、ファンタジーを指すのは魔法陣という表記です

 

BMGのパンツタイプについて

下着については白のパンツとして立体化されてます。

彼女のスカートの中はやや特殊で、描き手や作り手の解釈によってパンツかレオタードかが異なります。
実際に公式イラストや3DCGでも混同されており、どちらが正解ということはありませんが原作者監修のフィギュアでは白となっていた実例はあります。

ちなみに直近のフィギュアである2021年に発売された『POP UP PARADE』は青いレオタードタイプを採用しています

 

「黒・魔・導・爆・裂・破(ブラックバーニング)」

付属のロッドには金色の成型色が使われ、そのままでも違和感なく飾れますが下部のリングは色分けされておりません

 

「魔術の呪文書」を装備

ファンアイテムとして実際にOCG化している本がプラモデルでも採用されました。

元ネタは攻撃力が700ポイントアップする「ブラック・マジシャン」「ブラック・マジシャン・ガール」専用の装備カードです。また、フィールドから墓地へ送られた場合は無条件にライフポイントを1000回復する効果もあります。

 

本の造形(拡大可)

実際に本を開くギミックが組み込まれていますが色分けはほぼされず、中身も白紙となってます。忠実に再現したい場合は塗装が必要になりますが難易度は高いでしょう。

欲を言えば、中身を再現するデカールは欲しかったですね

 

Dark Magician Girl with Little Dark Magician Girl

余談ですが2016年にホビージャパン様から発売されたフィギュア(税込み12,800円)には高いクオリティで立体化された台座が付属しました。

こちらのフィギュアは原作よりも巨乳として描かれていたのが特徴です。

以前レビューした際の写真が残っていましたのでご用意しました。よければ資料としてお使いください

 

ポージング例

これだけ布面積の広い特徴的な衣装のプラモデルでありながらも可動域はそれなりに広く、カードイラストにもなった印象的な立ち姿を再現できます。

プラスチックにもかかわらず布のやわらかさもうまく表現されています。

KOTOBUKIYA様の技術の結晶といっても過言ではない仕上がりです

 

アップ写真

素組みプラモデルには塗装ムラという概念がありませんので、間近で見ても塗料のはみ出しなどの心配はほぼありません

 

ウインク顔

ウインクによるダイレクトアタックでライフポイントを失ったデュエリストは少なくないでしょう

 

まとめ ブラックマジシャンガールのプラモデル

いかがでしたでしょうか?

これだけ曲線が多く構造が特殊な衣装を着ているBMGがプラモデル化すると聞いた時はどうなるのか不安と期待が拮抗していましたが、さすがのコトブキヤ様といった感じで素晴らしい出来でした。

コトブキヤ様の美少女プラモデルはやはり顔が可愛いですね。このフェイスの良さは1万円以上の高額フィギュアにも負けない出来です。
丸みのあるバストはカードに描かれている元絵に忠実と言えます。BMGはグッズやフィギュアによっては爆乳として描かれることも少なくありませんので、こちらの商品は原作をリスペクトした、愛にあふれるアイテムなのではないでしょうか。

BANDAI様にも劣らないパーツ分割による色分けや、プラモデルならではのキャストオフ機能、豊富なオプションパーツ、といいポイントはたくさんありました。

そのままでも劇中に近い完成度ですが、塗装をしても化けるキットではないかと思います。

しかしこれから購入しようとしている方に伝えたい欠点や注意点もあります

 

欠点・注意点

  1. 合わせ目について
    これはプラモデルでは避けられない宿命ですがパーツとパーツの間に出来る分割線は目立ちます。
    とくに肌に出来る合わせ目は色気を殺してしまいます。合わせ目消し加工で対処できますが玄人向けの作業となってしまうため欠点として挙げました。
    また、付属品である魔導書も塗装する場合の難易度が非常に高いためオススメしづらい点と言えます
  2. ゲート処理について
    製作過程の話しですがランナーからパーツを切り離した際に出来るゲート跡、この処理が非常に大変でした。ロボットのような平面であれば処理しやすいのですがこちらは曲線が多く、特に円形のパーツについたゲート跡を綺麗にするのは大変です。やすりを使えば容易になりますが、そうすると色味が変わってしまうので素組みで通す場合はデザインナイフでの加工が必要となります

もしも購入を検討している場合は最低でも上記は覚悟します。

 

発売前は定価の2倍以上の値がつけられた転売品が横行しておりましたが、

現在amazonでは定価未満(7,480円)で購入できます。ただし前述した特典プレートは付属しませんので予めご了承ください(2022/08/03時点)。

 

レビューは以上になります。

現状、発売された彼女の商品としてはおそらく最後のものとなっていますのでこの節目に手に取ってみてはいかがでしょうか。原作者亡き今、新たな商品は展開されるのでしょうか。気になるところです。

それではここまでお付き合いいただきありがとうございました

 

前述している「合わせ目消し」には色々な方法がありますが、そのうちのランナーパテを使用した場合の方法は下記のページで解説しておりますので興味があればお立ち寄りください

ランナーパテを使ったプラモデルの合わせ目消しの方法
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