今回は2020年3月にBANDAI様から再販されたプラモデル、『ダンボール戦機』より「ハイパーファンクションLBX ルシファー/NEMESIS」をご紹介します。
通常版との違いを比較しつつ互換性、欠点にも触れてます。ちなみに再販はおよそ7年ぶりになります。
ダンボール戦機 ハイパーファンクション LBXルシファー
特筆すべきはグロスインジェクション加工。プラスチックを超えた質感を手に入れてます。
製品情報
- 作品 ダンボール戦機
- 価格 2,750円(税10%込)
- 発売日 2020年03月07日
- 対象年齢 8才以上
【付属品】
■ヘブンズエッジ×1
■天帝ネメシスシールド×1
■精密なメカディテールがほどこされたコアスケルトンを内蔵。
『ダンボール戦機』より、天使と悪魔、二つの顔を併せ持つ「LBXルシファー」がハイパーファンクションシリーズから登場!
(C)L5/PDS・TX
再販版はバンダイスピリッツなので右下のBANDAIロゴが青いです。
旧版はおなじみの赤いロゴになってます。
そして英語表記は「LUCIFER」から「NEMESIS」へ変更されています
Little Battler eXperience(小さな戦士の体験)の略称。設定では2042年に登場したホビー用小型ロボット。媒体によっては「ダンボール戦機」とも訳される
セット内容
- コアスケルトン×1
- アーマーフレーム一式×1
- ヘブンズエッジ×1
- 天帝ネメシスシールド×1
- ハンドパーツ×4
- ホイルシール×1
- マーキングシール×1
ハンドパーツは4つ付属しますが、手の甲に当たるパーツは2個のみで共有しなければなりません。
スタンドは付属していないため、飛行アクションなどを行いたい場合は別途で用意する必要があります。
一見するとシールが多いように見えますが、銀色の部位はクリアパーツが透ける裏側に貼って使用するものになってます。
今回はステッカーを一切貼らない状態でレビューしてますが、もしも使用する場合は注意が必要です。(下記参照)
他のキットではあまり見られない仕様なのですが、クリアパーツの裏側に銀色のシールを配置することで、光を反射させクリアパーツの発色を良くする効果があります。
上記画像、右側の盾内部に銀色のシールを貼っているのですがこの部位は元々1ミリ程度の幅しかない部分に貼っているのではみ出たシールは宙に浮いている状態です。
これまで慣れ親しんできた既存のプラモであれば余ったシールは内側に折り込むことが多いですが、今回はその状態を維持したままパーツを閉じます。
コアスケルトンはダークグレーの一色で、目のみシールで色分けを行います
×印を見てわかるように余剰パーツはほぼありません。残るのはジョイントに使われるパーツのみです。
タッチゲート式のランナーのため工具を使用せずとも手で外すことが出来ますが、まれに切断面が欠ける場合もあるので気になる方は別途デザインナイフやニッパー推奨です。
ディスプレイ
ハイパーファンクションの最大の特徴は劇中同様にコアスケルトンと呼ばれる全身骨格が再現されている点です。
コアスケルトンの色分けはほぼオミットされており、目のみシールが用意されています(画像はシール不使用)
各関節はしっかりとした硬さが確保されており、可動域も通常版とは比較にならないほど優秀です
ただ、通常版には付属したステッカーが付属していません。その代わりにモールドが加えられています。
コアメモリのサイズは通常版とほぼ同じなので入れ替えることは可能です。ただ若干、目で見てもわからないほどわずかですが通常版のコアメモリの方が小さいようです
コアスケルトンに直接アーマーフレームを装着するので劇中に近い仕様を実現。
頭部アーマーも、兜のような構造になっておりコアスケルトンの上からかぶるように装着しています。
ただ、足首のみは足首ごと差し替えパーツで再現です。
可動に関してはかなり優秀で、肘には二重関節が入っているので顔の前に手のひらをもってくるようなポーズも容易です
自立可能ですが、通常版に比べウイングのボリュームが増しているためスタンド推奨です。
アーマーフレームすべてにグロスインジェクションという加工が施されているので、高級感のある光沢があります。
この光沢の美しさは写真よりも現物を見て頂けると一番よいです。
レビューのためにシールを一切使用していませんが色分けはほぼ完ぺきで、塗装する必要を感じさせません。
そしてコアスケルトンにアーマーフレームを装着するという仕様上、色分けの精度も相まって合わせ目消しの必要性がほぼ皆無の高コスパキットです。
通常版と見比べた時に大きく印象が異なるのが翼です。
色やデザインはもちろんのこと、構造もまるで別物になってます。
あらゆる面で上位互換ともいえる翼ですが唯一、可動範囲については通常版よりも制限があります
アーマーフレームの隙間から覗く黒いコアスケルトンがアクセントとなり非常にかっこいいです
コアスケルトンを採用した構造上、簡易的に半壊ルシファーを再現できます。大がかりな改造をせずにこういう遊びが出来るのはキッズの遊びの幅も広がるのでいい玩具だと思います。
ただ再販版ですが、子供たちより大人のほうが購入していたんじゃないかという認識があります(データはありませんが)
ハイパーファンクションと通常版との違い
並べてみると一目瞭然で大きさが違います。画像左が通常版、右がハイパーファンクション(以降HFと呼称)なのでより大型化していることがわかります。
細かいモールドも追加され、各部シャープ化もされておりリアルさが向上。
通常版ではシールで表現していた紫の部分も、HFはクリアパーツで完璧な色分けが実現されてます
武器同様に身長も1.2倍ほど大きくなっています。可動範囲の向上に合わせてアーマーフレームは若干の修正が施されていますが、やはりこちらも全体的にシャープ化されており洗練されたデザインへと昇華されました。
胴体付近は色分けの向上も顕著で、通常版ではシールで再現する角の部分も4パーツ構成で色分けを完全に再現。頭部も耳や頬まで細かくパーツでの色分け、目までクリアパーツで構成されてます。
胴体は通常版ではシールすらなかった胸部横をクリアパーツで、ショルダーアーマー下部の細かい装飾まで無塗装でここまで表現されています
背面も各部色分けが向上しています。先ほども触れた角、背中も細かく色分け、背面腰のサイドアーマーなど。
一番変化が著しいウイング。
巨大化はもちろんですが、構造についても背中との接続部に繋がるシャフトの位置が変わっています。
これにより可動範囲は先ほど述べたように通常版に劣っています。
ただ色分けについてはもはや別物と言えるほどに進化しています。印象もまるで違うために好みが分かれそうな部位ではあります
互換性について
通常版のLBXルシファーとHF版のLBXルシファー、ぱっと見ではほとんど同じに見えますが各部を細かく見ていくと異なる部分は多く、構造もまるで違います。
なので互換性は低いのですが、それでも流用できる部分はあります。
- 武装
武装「ヘブンズエッジ」と「天帝ネメシスシールド」は流用可能です。ただ通常版にHFの武装を持たせるのは重量の関係でジョイント保持力が負け気味です。 - 腰ジョイント
上半身と下半身を接続するジョイントはほぼ同じ大きさなので、お互いの上半身と下半身を入れ替えることは可能です。 - 腕
腕は肩のボールジョイントからまるごと流用が可能です。ただ手首は構造が全く違うので手首のみを交換することは出来ません。 - ウイング
互換性がありますが、プラ同士の摩擦で接続する部位なのでジョイントを痛めるリスクがあり非推奨です。
互換性については以上になります。
さらにいえば股関節も互換性がなくはないですが、片方がゆるすぎ、片方はきつく入らないので省略させていただきました。
これらの情報が何かのお役に立てれば幸いです
まとめ ダンボール戦機 ハイパーファンクション LBXルシファー
いかがでしたでしょうか?
通常版との違いや互換性にも触れつつご紹介させていただきました。
顕著な差異はクリアパーツ部分で、HFだと透明性の低いピンクのクリアパーツになってますがこの色の変更は好みが分かれるところかもしれませんね。
各部位を詳しく見て行っても完全上位互換と言える機体でしたが、欠点がないわけではございません。それらについても触れていきます
欠点
- もっとも大きな変化である翼についてですが賛否両論があるかと思います。
前述したように可動域は狭まりましたが、通常版では出来なかった縦方向への動きが可能になっているのでここは一長一短です。ただ巨大化したことによりスタンドなしでの自立は難しくなってます。
また、これは個体差かもしれませんが羽の付け根はポリキャップが使われていないせいか外れやすい印象を受けました。 - 外れやすいという点にクローズアップすると手の甲のパーツは外れやすいです。
厳密にいうと外れやすいというより、武器を持たせたときにわずかに干渉してしまうためにポロっと取れるという背景があります。
接着してしまえば解決するのですが、ハンドパーツ4つに対して手の甲が2つしかないので接着してしまうとハンドパーツの差し替えが事実上できなくなってしまうのでここを欠点として挙げさせていただきます。
それらを含めてもHF版は通常版をはるかに上回る完成度を有しており、もしも通常版とHFのどちらか一方だけを選ぶなら?と問われれば迷わずHFを選びます。
それほどまでにいい商品なんですが懸念点として、再販されたハイパーファンクションシリーズ他に、
- 「LBXアキレス」
- 「LBXジ・エンペラー」
- 「LBXオーディーン」
を含めた4種しかなくダンボール戦機の醍醐味であるカスタムの幅がかなり狭くなってしまっていることが挙げられます。
カスタムを楽しみたいのであればより多く再販された通常版の方が優れているといえます。
加えてハイパーファンクションは再販分も早い段階で高騰してしまったので今から手に入れるには困難な点もオススメできない要因の一つになります。
以上で再販された「ハイパーファンクション LBXルシファー」のレビューを終えたいと思います。
それではここまでお付き合いいただきありがとうございました
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